2014年新春  地域から“生活都市東京”をめざす!!

2014年新春  地域から“生活都市東京”をめざす!!

2014年、生活者ネットワークにとって正念場となる年が始まりました。 

経済再生と政治の安定を期待する声に後押しされるかたちで安倍政権が誕生したのは、2012年12月でした。しかし、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢からなるいわゆるアベノミクスは、公共事業の大盤振る舞いでしかなく、古い自民党政治への回帰に他なりません。円安と株高で金融市場では期待されているものの、一年が経過した今なお働く人々の収入増、暮らしの豊かさにつながったという実感はありません。加えて、数の力におごった権力の暴走以外の何ものでもない「特定秘密保護法」が、圧倒的反対の世論を無視して衆参両議院で強行採決されました。続く安倍首相の靖国参拝が与えた、回復途上にある日中韓親善外交への影響ははかりしれず、解決には程遠い米軍普天間飛行場移設問題は対米追従の域を一歩も出るものではありません。さらにはTPP参加、原発早期再稼働、集団的自衛権行使容認にむけての憲法改悪を目論む安倍政権の終焉のためには、地域から地に足のついた市民の、生活者の「反撃」が不可欠です。

一方、都政では、石原前知事が任期途中で都政を放り出し、後継指名された猪瀬知事は430万票と高得票を得て誕生したものの、在任わずか1年で「政治とカネ」の問題で辞職に追い込まれ、東京は3年足らずの間に三度の都知事選を余儀なくされる異例、異常事態となっています。その是非はともあれ、2020年東京オリンピック開催が決まり準備段階にある都政でしたが、知事辞任の事態で一気に暗転。次期都知事が誰になるのか、2014年がどのような年になるのか不透明なままの年明けとなりました。私たちをとりまく状況は、収束とは程遠い福島原発事故対応、原発汚染水問題や、首都直下型地震など人々の安全を脅かす問題への対応、エネルギー多消費都市・東京を省エネと再生可能エネルギーへとシフトするための具体策、都市防災の強化など促進しなければならない問題が山積しています。すでに、オリンピック開催にむけて様々な施策が動きだそうとしていますが、まちづくりにおける2020年は、あくまでも通過点の一つです。長期的に見て、将来世代の過大な負担にならないよう深慮しなければなりません。

東京といえども人口減少社会に転じ、高齢者が急速に増えることは確実であり、障がい者や高齢者が暮らしやすいバリアフリーのまちづくりもまた、切に求められています。労働力としても女性や高齢者への期待が高まる中、これまでの働き方を見直し、ワークシェアリングの考え方を広めて、ワークライフバランスを推進し、誰もがゆとりある生活ができるような施策をこそ展開すべきです。

明けて2014年は、TPP交渉の行方や4月からの消費増税による生活への打撃は余儀なく、大きな影響が出ることが想定されます。自治体・市民をとりまくかつてない厳しい状況の中であればなおさら、地域で活動することの重要性は増すばかりです。人権が守られ、誰もが尊重される、共に生きる豊かな地域づくりをめざさなければなりません。生活者ネットワークは、“生活と政治をつなぐ”ローカルパーティの原点に立ち返り、今こそ福祉の向上や雇用の創出など市民生活の安定にむけた政策を地域から市民とともに提案し、子ども・若者・高齢者・障がい者が安心して暮らせる生活都市東京の実現にむかう期とする所存です。共にがんばりましょう。

2014年1月

東京・生活者ネットワーク代表委員

西崎光子/大西由紀子/池座俊子