議会改革をすすめます

議員定数検討委員会報告(1.16)

 昨年、12月13日から頓挫していた議員定数検討委員会が始まり、3月の議会で結論を出す予定となりました。今回の議員定数の検討内容は、前期2名の削減を決めた時に付帯意見として今期さらに2名削減の検討、とされていたことについてです。また、2名削減の理由は、財政削減に議会も率先して協力するというものです。
 ネットとして、また、市民クラブの会派として、議員定数削減に対する意見は、財政削減を理由に削減することには反対の立場です。議会に対して区民の方々から聞こえてくる主な意見としては、議員が無駄な経費を使っているということなどがありますが、その理由として、議員活動が見えにくいことや、議員の不祥事があまりにも多いことなどが根底にあるのではないでしょうか。また、これらはTVなどマスコミで取り上げられる国会議員などの不祥事から出てくる意見であり、議員個人の質が大きな原因にもなっています。
 議員定数については、江戸川区66万の人口に対して、地方自治法上の定数では上限56人ということからすると、現在すでに10人も削減していることになります。財政面からだけで議員定数を議論することは間違っており、先に議論すべきことは議会が市民からの信頼を得られる仕事をしているのか、議会の現状の評価と議会改革について、第一優先に議論すべきではないでしょうか。
 特に、第一会派である自民党の意見は財政面のことだけを主張しており、議会運営に対する改革を重視する意見とはとても受け取れず、2名削減といううわべだけの実績を求めているとしか思えません。本当に財政削減を実行するなら、委員会に出席するたびに報酬とは別に支給される費用弁償、審議会などの報酬、さらに、議員報酬に上乗せして支給される議長・副議長、委員会の委員長・副委員長の報酬の削減、廃止の議論をすべきです。
 市民クラブとして、議論したうえで会派の意見をまとめ、私が代表して出席している検討委員会で意見を述べています。議会運営委員会の小委員会という位置づけで、公開されないことも大きな問題です。他の議会改革については、議会運営検討小委員会でも議論が始まっています。できるだけ、区民の方々に情報公開していきたいと思っています。

※ 江戸川区の状況
議員報酬608,580円、議長報酬908,200円、副議長報酬766,650円、
10委員会の委員長報酬647、780円、副委員長報酬628,180円
政務調査費200,000円(すべて月額)、委員会の費用弁償3,000円(一回)

総決算の年を迎えて

原点にもどり、議会改革をすすめます!

昨年末にはマンション耐震偽装問題やJR羽越本線での脱線事故、また、年明け早々には世界各地で山火事や大洪水などの災害が発生しており、これらは、人類の営みや社会のひずみがもたらす問題であると深く受け止めなければなりません。犠牲になられた方々に心からご冥福をお祈りするとともに、今年こそはもっと明るい年になるようにと願うばかりです。
昨年、江戸川ネットは、都議会議員選挙という大きな挑戦をしました。自治体議会に「市民の議席」をつくり、市民による議会改革や政策実現を目指すことが、ネットの第一の目的です。「政治に異議あり!」「きっぱり生活者」「子育て・介護は社会のしごと」「地域力・市民力」など、生活者ネットワークのスローガンは、私たちがめざす議会のあり方や社会のあり方を示しているものです。もう一度あらためて、生活者ネットの政治とは何か、また、活動を基に掲げている政策について、大勢の人々に伝えていきたいと思っています。

今年は、区議会議員にとって今期最後の年を迎えます。総決算の年ともいえます。現在、江戸川区議会では、「議員定数検討委員会」(前期につづいてさらに2議席減らすことを検討)と「議会運営検討委員会」が立ち上がり、ここ数ヶ月間集中的に議論することになっています。自治体議会として、本来果たすべき役割を基本に置き、さまざまな問題点を洗い出し、議会のあり方をあらためて議論すべきだと考えています。行政のチェック機能、政策立案、条例提案などの役割が十分果たせる体制であるのか、会議運営などができているのか、議会の情報公開が徹底されているのかなど、市民の視点で意見を述べていきます。審議の経過について、できるだけ情報を発信していきますので、ぜひご意見を寄せてください。

議会改革については、議員自らが改革への意志を持ち、これまでの慣習や慣例に立ち向かわなければすすんでいきません。議員個人や党の利益を優先させることをまったく否定するわけではありませんが、それらに縛られすぎることが政治状況を悪くしている原因であることには違いありません。江戸川ネットは、議員を職業化、特権化しないために、2期8年で交代することを実行しています。議会に「市民の議席」をつくることは、議会改革をすすめるためにも大きな意義があると考えます。

今年も生活者ネットワークへのご支援をどうぞよろしくお願いします。

中学校の学校選択制について

 〜第4回定例会の質問から〜

 2001年度から、中学校において「学校選択制」が始まり、翌年から小学校の選択制が始まりました。今年で4年目を迎える「学校選択制」を導入した目的は、保護者と学校との新しい関係づくりと、学校の活性化と特色づくりです。他の自治体などでは、少子化に伴う学校の統廃合の代替策として実施しているところもありますが、江戸川区の場合は、積極的な学校改革をめざして実施したことが特徴です。
今年の中学校における学校選択については、33校ある中学校のうち10校を対象に抽選会が行われました。最も希望者が多かったのは清新第一中学校で、17人の枠に207人が希望する状況でした。選択制が実施された初年度は全員が希望する学校に入ることができましたが、その後抽選対象校は、4年間で増えてきている状況です。今年の状況からは、江戸川区6ブロックの中に、抽選校の10校がそれぞれに散らばっており、ブロックごとに人気の高い学校ができていると言えます。一方、希望者が少ない学校の状況は、受け入れ可能数に対する希望者数の比率で50%以下というところが二校あり、60%台の学校はさらに数校あります。
 教育委員会が実施した、中学生を対象に行ったアンケート調査の結果から、選択制になってよかったことや、前向きに学校生活を考えていることがわかります。しかし、本来の通学区域である学校を、なぜ選択しなかったのかという消極的な意見や、希望者が少ない学校の現状については、明らかにならないことに問題があるのではないでしょうか。
 私たち会派(市民クラブ)は、こうした現状を踏まえて、学校選択制による問題を明らかにし、より効果的な制度にするために質問しました。
 
●今年の希望者が多かった10校と少なかった学校について、良し悪しのレッテルが貼られるような状況になることを避けなければなりません。希望者が少ない学校については、課題を把握したうえで、教育委員会が解決するための役割を担うべきです。そのために、教育委員会の中に、専門セクションを設置すること。

●学校選択制スタート5年を前にして、制度の検証が必要である。
 

「荒川クリーンエイド2005」を実施しました。

身近な荒川の自然環境を守る活動

江戸川ネットが1996年から毎年実施している「荒川クリーンエイド」は、今回が10回目の開催になりました。毎年、ガールスカウト215団(去年までは12団も参加)の子どもたちやリーダーの方々と共同開催してきました。
 荒川に架かる船堀橋上流の右岸、約50メートルの範囲のゴミの調査を中心に、水質調査や投網で捕った魚の調査を行っています。
 今年は、午前8時が満潮だったため、活動を開始した10時ころは潮が引き始めたところで、先に子どもたちは投網を見学して、網にかかった魚を捕まえ水槽に移しました。捕れた魚は「ボラ」「ビリンゴ」「ヒラタエビ」「アシシロハゼ」です。毎年、投網を担当してくれる飯島さんが、魚の説明してくれることも、子どもたちには勉強になります。
(もちろんその後、魚たちは川にもどします・・・)
 水質調査は、「pH」「アンモニウム」「硝酸」「亜硝酸」「COD」の5種類をパックテストで行いました。荒川の水質が少しずつきれいになり、これまでは臭いがあって食べられなかったボラがおいしく食べられるようになったそうです。この日も、近所の男性が川のしじみ採りに来ていましたが、しじみも泥臭さがなくなりとてもおいしくなったと言っていました。
 川原のゴミ調査は約1時間行います。調査は、3〜4人が一組になり、資源になるもの、燃やせるゴミ、燃やせないゴミの大きく3種類に分け、調査票には、細かくゴミの種類を書き込んでいきます。特に目立つのは、レジ袋などのビニール袋、プラスチック製のトレーやペットボトルです。上流から流されてくるもの、川原で遊んだ人などが捨てていくもの、こうしたゴミが自然環境を壊していくことを実感します。
 昨年の調査では、レジンペレット(大きさ3ミリから5ミリそして色は透明や乳白色です。プラスチックの原料のつぶです。これを間違えて魚や鳥が食べると死んでしまいます。)が大量に発見され、問題になっていると報告されています。
 調査の締めくくりは、持ち寄った材料を煮込んだ豚汁とおむすびの昼食です。大勢で活動した後の食事は、気持ちも身体もあたたまり、それぞれの交流が深まることが何よりの成果かもしれません。
 来年のクリーンエイドへのみなさんの参加お待ちしています。よろしく!

※今年の「荒川クリーンエイド」開催は、54ヶ所で約7000人が参加予定です。調査報告書は国土交通省に提出され、河川整備などに生かされるものになります。

(写真は、飯島さんの説明を受ける子どもたちと藤居)

2004年度決算特別委員会報告①

 9月26日から10月11日まで、決算委員会の審議に参加しました。委員会の中で、質問や提案した内容について報告します。
(総務部関係)
●現在、区役所の本庁をはじめ、地域の施設や学校などには、正規職員以外に多くの非常勤職員や臨時職員が働いています。さまざまな個人情報を知り得る環境を考え、「守秘義務」を徹底すべきであると要望しました。
●昨今起きている住民の生命や財産を脅かすさまざまな事件に鑑み、江戸川区の大量閲覧制度の利用目的の中で、公的・公益以外のものへの規制をすべきであると提案しました。(稲宮須美の本会議質問を受けた提案)
(環境部関係)
●地球温暖化対策を積極的にすすめるために、第二次環境行動計画の目標達成は重要です。これまで行ってきた、省エネ診断や省エネ対策の取り組みを評価し、さらに、自然エネルギーの導入や雨水利用、屋上緑化や緑のカーテンなど、積極的な対策をすすめるべきと提案しました。
●国の対策が遅れたために、今日の深刻な状況を招いたアスベスト問題について、第一に、公共施設については、区民の安心のために、徹底した情報公開と相談窓口の充実を提案しました。さらに、民間事業者や個人の建物や家屋の実態、また、労働者の状況を把握することに努め、早急に問題解決に向けた施策をすすめるよう提案しました。
(福祉部関係)
●介護保険制度の改正を受け、特に、認知症の受け皿となる「認知症高齢者グループホーム」について、苦情・相談対応の充実と第三者評価の実施を促進させ、入所する高齢者の人権に配慮した運営をすすめるよう要望しました。
 また、介護予防重視型への移行が、今回の制度改正の大きな点ですが、家事援助などを含めた、利用者の自立を促すサービスの供給を存続すべきと要望しました。
● 障がい者のニーズに対応した支援として、自立生活が可能な生活支援や就労援助の
充実を提案しました。今年、開設した障害者就労援助センターを核にして、授産部門と訓練部門を充実させ、さらに、区役所など公的なものも含め、障がい者の雇用確保にも力をいれるよう要望しました。
また、障害者自立支援センター(中葛西一丁目の支援ハウス内)の拡充と、当事者間でのピアカウンセリングの充実を要望しました。
(子ども家庭部関係)
●児童虐待は、子どもに対する重大な権利侵害であり、その防止に向けては、社会全体で取り組む課題であるとの認識を深め、虐待防止対策のさらなる充実を提案しました。特に、子育て支援に関わる地域の民間団体との連携について、新たな体制づくりを要望しました。

②につづく

2004年度決算特別委員会報告②

(産業振興関係)
●新しい制度である、農業ボランティアについて、都市における農業の重要性から、今後に向け、さらなる充実を提案しました。現在行っている、農業試験場江戸川分場、農協青年部と三者の連携で、ボランティアの育成や受け入れ農家とのマッチング、さらに、総合人生大学での講座開設などを具体的に提案しました。
(都市開発関係)
●東京の新たな公害・熱汚染とよばれるほど深刻な問題である、ヒートアイランドの対策は重要です。公共施設や民間の建物について、積極的に植樹や屋上緑化などを促進するよう提案しました。
(健康部関係)
●健康費においては、食品衛生や消費者にとっての食品安全対策に力を入れ、残留農薬の検査やアレルギー物質対策のさらなる充実を要望しました。
(教育委員会関係)
●区内すべての施設では、石けんが使用されている中で、学校給食調理業務における食器類の洗浄には、未だに合成洗剤が使用されています。特に、子どもたちに関わる給食だからこそ、ぜひ、石けんの使用を検討すべきと強く要望しました。
●また、江戸川区の地球温暖化対策をすすめる上で、学校施設での省エネは大きな鍵を握っています。(温室効果ガスに関しては、区内施設の25%を学校が占めています。)そこで、「省エネ」の環境教育を実践しながら、自治体の経費削減を推進すること、同時に、還元金で学校環境を整え、温暖化対策にもなる、メリットの大きい「50:50」の取り組みを要望しました。(稲宮須美の本会議質問を受けた提案)
●子どもたちへの教育面、また、アレルギーなどの健康面においての問題から、学校の校舎内や校庭などを含め、施設内での全面禁煙を要望しました。
(その他)
今年から、経費削減ということで、区役所の男性職員の制服だけが廃止になりました。そこで、今回の決算委員会では、女性の制服を継続すべきが否かの議論がされました。
・ 男性と同様に、経費面からも削減すべき。
・ 女性は、服装の種類もさまざまあり、職員としてふさわしくないものもあるので、制服のままがいい。
・ また、職員として自覚を持つためにも、経費にかかわらず、制服は廃止すべきではない。
など、賛否両論ありました。
市民クラブ、ネットとして、特に、男女平等の観点から、女性だけを特別扱いして、制服を継続することは問題があり、国や都の職員、企業なども制服はほとんど廃止している現在、女性の制服も廃止すべきであると意見を述べました。

60年の節目の年に考える


(日野原重明先生と)

 今年も夏の平和イベントの時期になりました。
 私たち江戸川ネットも、毎年恒例で参加している東京大空襲で亡くなった戦災犠牲者追悼式、被爆者追悼式、反核・反戦キャンドルデモに加えて、8月26日から31日まで船堀タワーホールで、「原爆展」と「平和コンサート」を親江会(江戸川区の被爆者団体)の人たちと開催することになっています。今回の催しでは、特に、子どもたちに平和の尊さを伝えるために、会場の中はゆっくり時間をかけて見たり、書いたりできるようにレイアウトが工夫されています。年々高齢化していく被爆者の方々は、ご自分の経験を少しでも語り告ぐことで、被爆体験を風化させないという思いを、こうしたイベントに託していらっしゃるということが伝わってきます。私たちおとなも共に参加し、若い人や子どもたちに伝えることが、被爆国である日本がもつ使命を全うすることにつながるのではないでしょうか。

8月6日、8時15分、ヒロシマに原爆が投下された日時です。私が子どもの頃は、その時間になると、町にサイレンの音が響き、黙祷をささげて犠牲者の冥福を祈りました。今年は、被爆60年という節目の年とういうこともあり、故郷ヒロシマでは多くのイベントが行われています。
 今年の始めに、母校である広島女学院で、現在理事長補佐をしておられる私の恩師から、この秋予定されるイベントのご案内をいただきました。10月21日に、「日野原重明・小澤征爾 世界へおくる 平和のメッセージ」と題したイベントです。日野原先生のご尊父が広島女学院に関わりのある方ということから、今回の企画がすすんできたということでした。その他にも、吉永小百合さんや世界で活躍される音楽家の方々、また、オーディションによる市民コーラスなどと盛りだくさんの内容です。本当に豪華メンバーによる企画ということ、しかも、みなさんがボランティアでの参加ということで、入場料は格安になっています。8000人の会場があっという間に満席になるという状況です。このイベントの実施に当たっているのは、広島女学院同級生の精鋭たちで、今や各界で活躍中の友人たちです。私も、微力ながら、当日のお手伝いを買って出ました。出演者や会場に参加されている、一人ひとりの思いを、世界の平和につなぐことができたら素晴らしい。ヒロシマに生まれ、育った私にできることを、これからも実行していきたいと思います。

福祉優先のまちづくりに向けて

NPOの挑戦で、高齢者住宅を開設

2000年にスタートした介護保険制度は、住み慣れた地域での自立生活を保障するものでした。スタートしてから5年目を迎える今年、初めての法改正が行われました。
生活者ネットワークは、99年より5年間に亘り、介護保険によって高齢者の暮らしがどのように変化したか、調査を続けてきました。江戸川・生活者ネットワークのメンバーも区内で、介護保険を利用している方に協力をいただき、調査をしました。
その調査結果からは、サービスの質や量の課題はもちろん、現行の介護サービスだけでは解決できない問題も明らかになりました。そのひとつが、一人暮らしの高齢者の方の不安です。
江戸川区には現在、およそ1万4千人の一人暮らしの高齢者の方が暮らしていらっしゃいます。そうした方々は、必ずしも身体状況に問題がある方ばかりではありません。何とかご自分の力で、日々の暮らしを送っている方も少なくありません。介護サービスを利用するようになれば、様々な人がその方の住まいを訪れることもあり、外からの風が運び込まれ、地域社会から全く孤立するという状況は生まれませんが、一人で頑張っておられる方は逆に、引きこもりがちになることが心配されます。
昨年12月、こうした地域の課題を解決しようと、NPO法人が、区内に高齢者の共同住宅を開設しました。身体状況に不安はないが、子どもには世話をかけたくない、施設へは入りたくないが、一人暮らしはやっぱり不安だという高齢者が、集まって暮らすことで、互いに気遣い合い、支えあって自立生活を継続していくことを目指しています。
高齢期の課題に対して、このような住まい方の視点で取組む活動が、各地で少しずつ始まっています。
生活者ネットワークは、今回の共同住宅開設にあたり、NPO法人が直面した、資金の問題や管理・運営面での課題解決のために、支援を続けてきました。
江戸川区には現在、約80の団体がNPO法人として活動しています。こうした団体の活動を支援し、広げていくために、生活者ネットワークは新しい税制改革を提案しています。都民税の1%を基金とし、納税者が指定するNPO事業にそれらを使っていこうというものです。生活者ネットワークは、地域の力、市民の力を応援する税制改革実現が今必要だと考えています。

八ツ場ダムを止めよう!

ダム開発は予定地だけの問題じゃない。

 5月28日、「第2回 八ツ場ダム学習会 in 江戸川」が開催されました。利根川水系の下流部で、河川に親しみ河川の問題に取り組んでいるさまざまな市民グループが、共催という形でこの学習会を企画できたことは、大変意義のあることでした。
 「八ツ場ダムをストップさせる東京の会」のこれまでの活動や今後の取り組みを代表の深澤洋子さんに詳しく聞くことができ、また、八ツ場ダムの問題点を嶋津輝之さん(水源開発問題全国連絡会共同代表)に講演していただきました。
 
 国土交通省が群馬県長野原町で建設しようとしている八ツ場ダムは、1952年に構想が浮上し、地元では反対運動を余儀なくされてきました。しかし、運動の長期化により疲弊し世代の交代もあって反対同盟が解散し、基本計画を受け入れた現在は個別の補償交渉に入っています。しかし、水没住民の代替地の造成は遅れ、道路や鉄道の付け替え工事などの関連工事は進行しているにもかかわらず、用地買収も終了せず本体工事も始まっていません。昨年11月、国は事業費を倍増して4600億円に改定。関連都県は、ろくな調査もせず議会に諮り、自民、公明などの賛成によって可決されました。この額は、本体事業費であり、関連工事や起債利息を含めると8800億円にもなるダム建設なのです。すでに一部は私たちの水道料金に加算されており、その後も税金という形でこの大きなお金はわたしたちの負担になっていきます。
 八ツ場ダム計画の目的は、「吾妻川と利根川の洪水調整」と「都市用水の開発」ですが、首都圏の水道用水は減少の一途であり、渇水対策としてもダムがあまり役に立たないことは明らかになっています。新たなダムを建設するよりも、保水力の大きい広葉樹林を中心とした森林の整備を図ることのほうがはるかに重要なのです。洪水についてもカスリーン台風(1947年)の洪水をベースに設定されていますが、戦争直後の食料難解消やエネルギー源確保のために森林伐採がひどかったことが被害を大きくした原因であり、当時と比べ植林や森林の成長で山の保水力は大幅に高くなっている現在、同等の雨が降っても洪水流量はもっと小さい値になるそうです。その上、吾妻渓谷自体が自然の洪水調整の機能を持っていて、むしろダムをつくった後に放流の操作を誤れば、洪水を助長することにもなりかねません。何より、驚いたのは、ダムサイトの位置が1973年に600m上流に変更されていますが、その地点について当時の建設省や文化庁が、断層や割れ目が非常に多く、また温泉による熱で変質して脆弱化していることを理由にダムの基礎地盤として危険だと答弁していた事実です。ダムの基盤が崩壊すれば、すさまじい被害が引き起こされるのではないでしょうか。
 
 ダム予定地の人々を長年苦しめ、なんら恩恵ももたらせない八ツ場ダム計画、未来に大きな負の遺産を残すであろう八ツ場ダム計画です。
現在、ダムのもたらす災いが次々と明るみになり、世界は確実に脱ダムの時代になっています。首都圏最後のこの巨大ダム計画を多くの市民力でストップさせましょう。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」について

〜生活者ネットワークが改定に反対したわけ〜

 今年、東京都議会第一回定例会において、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が改定されました。昨年の条例改定の検証も不十分なまま、一年足らずで条例の見直しが提案され、青少年の性をめぐって、大人に対する淫行処罰規定が盛り込まれたことに注目されました。生活者ネットワークは青少年の育成に対する本質的な議論がされていないことを問題と考え、条例改定に反対しました。
 東京都では、青少年の性をめぐる課題については、これまで1988年、1997年の青少年問題協議会で議論され、淫行の定義が不明確であることや、犯罪の正否が当事者の主観的要素に依存する度合いが強いことなどが指摘されてきました。東京都は、議論を踏まえ、青少年の自己決定権を尊重する観点から淫行処罰には否定的な立場をとってきました。
 レイプや性虐待などは当然、犯罪であり、大人を処罰する規定としては、児童福祉法や児童売春禁止法などの法規制で対応は可能です。提案された条例改正案では、何をもって反倫理的な行為とするのか曖昧であり、恣意的な判断への懸念があります。また、大人への処罰としながらも関わってしまった子どもが被疑者のように扱われたり、偏見をもたれたりすることに危惧を抱くものです。
 江戸川区でも、1996年の文教委員会において、条例改正に反対する陳情が提出され、東京都の条例改正に対する議論が行なわれました。主に、淫行処罰規定や不健全図書類の指定に関するものでした。江戸川ネットは、特に、淫行処罰規定に関して、18歳未満の子どもたちを性犯罪に巻き込むことへの懸念や、プライバシーの侵害、人権侵害にも及ぶことなどから、この規定を盛り込むことに反対する意見を通しました。

 青少年に正面から向かい合い、低年齢の性行為へのリスクを正しく伝えることなく、いたずらに条例改正を重ね罰則規定を設けても、青少年の性をめぐる問題の解決には至りません。自己決定を育むための科学的な性教育やメディアリテラシーなどの方策も早急に実行されなければなりません。次世代への影響が多大な課題に関しては当事者である青少年の意見に耳を傾け、慎重な議論を実施すべきだと考えます。