景観行政のあり方が、問われている

「東京都景観条例」が全面改正されました

オリンピック招致をてこに開発の動きが現実のものとなってきましたが、10年後の都市像として、省エネ・省資源の最先端の都市や、独自の都市景観を持つ忘れがたい都市であることが、都市の価値として最も重要であると考えます。

経済効率を求めすぎた結果、つくられた街並みが今の東京です。先ずは、時代遅れの開発主義から決別し、同時に高さ神話から脱却することです。防災性からみても、人が住み働くマンションやオフィスは、地震に安全で、エレベーターに頼らず、住む人や働く人がコミュニケーションをとりやすい低層か、せいぜい中層の建物とし、水辺やみどりの潤いのあるまちづくりをめざすべきです。

景観条例改正案*は、建築物や工作物の色彩、屋外広告物のデザインの規制だけに留まり、高さ規制など根本問題の解決に迫ってはおらず、その効果に期待が持てません。景観行政における発想の貧困は、国分寺崖線基本軸指定地(民間の建築物は10m以上届出必要)に存在する「都立府中病院」の建て替え計画にも及んでいます。57mの高層病院計画は、条例の精神を無視しており、当然、景観配慮の指導が必要ですが、高さ規制がないため阻止できません。自治体が景観法にもとづく景観行政団体となり、地域の景観条例などで、その地域にあったものに規制していくことが重要であり、実効性が高いといえます。

*今回の条例改正の目玉に、「全国初の事前協議制の導入」があるものの、容積率の緩和などが必要な大規模建築物を対象としており、地域で紛争になる事例には当てはまらないものとなっている。

誰も責任を取らない臨海開発の破綻!

 東京都が出資する第3セクターでビル賃貸業を営む東京ファッションタウンとタイム24の二社が民事再生法の適用を申請。都は出資金49億円と、地代の滞納分35億円の計84億円を放棄することが今議会に提案されました。東京・生活者ネットワークは、開発全体の見直しがされない中の小手先の処理に反対しました。

◆小手先の処理では追いつかない!
開発から17年を経過した臨海副都心開発は、一見賑わいを見せているもの、汐留や品川、大崎など周辺の再開発ラッシュの影響を受け、土地売却は一向に進まず臨海会計は事実上破綻しています。今定例会では、東京ファッションタウン及び、タイム24の2社の経営破たんに伴い、民事再生法を適用するため、都の所有する債権である土地賃貸料の未納金と遅延損害金の約35億円を、2社の経営を再建し臨海副都心計画の安定的発展のために免除し、都の出資金49億円とともに、計84億円を放棄するというものです。民事再生法を適用すれば、2社の役割が継続的に担保され、テナントや周辺開発への影響を極力さけられるという点では、否定できないのですが、事実上貸しビル業に化した2社へ公的支援が必要なのか、都民への説明が求められます。臨海副都心には、2社の他に、都が52%出資する第三セクターとして東京テレポートセンター、東京副都心建設、竹芝地域開発の3社があり、この3社の状況は、破綻した2社よりもさらに厳しく、3社の累積損失は、2004年度末で、約900億円、債務超過は約350億円といわれています。実態についての情報公開も不十分なまま、税金を投入し支える公共性・公益性があるのか疑問です。

◆いまこそ抜本的見直しを!
448haにおよそ8兆円ともいわれた臨海副都心開発の最大の問題は、地下共同溝に象徴的なように、一挙に巨額投資し、一挙にまちづくりを進めようとしたところにあります。バブル崩壊とともに、その矛盾は露呈し、ついに、2社の破綻として現れました。ネットでは、開発当初より、現実的な見直しを提案してきました。今回の事態で、全体の事業の見直しがいよいよ不可欠と考えます。域内の整備は終わったとはいえ、アクセスのための広域幹線道路など、莫大な事業費約4400億円という計画は残されており、小手先の解決では都民の納得は得られません。環境への配慮や事業リスクの減少、今後の基盤の更新等の点から、事業計画を市民参加型で抜本的に見直すことこそ、都の未来への責任であるといえます。