東日本大震災・福島原発事故、私たちにできること“脱原発”の暮らしを

被災地の子どもたちが歌う「明けない夜はないから」をききながら

チェルノブイリ原発の1年後1987年にひとりの主婦、甘薯珠恵子(かんしょたえこ)さんが書かれたブックレット。「原子力産業を野放しにした罰…。私たちの責任です。…どうして日本だけ安全だと、事故など起こりえないと言い切ることができるのでしょう。」とあります。25年たった今、「私たちの責任です」と未来を描きなおしたいと思います。
チェルノブイリ原発の1年後1987年にひとりの主婦、甘薯珠恵子(かんしょたえこ)さんが書かれたブックレット。「原子力産業を野放しにした罰…。私たちの責任です。…どうして日本だけ安全だと、事故など起こりえないと言い切ることができるのでしょう。」とあります。25年たった今、「私たちの責任です」と未来を描きなおしたいと思います。
 3月11日午後2時46分に起こっ地震、津波、福島第1原発事故。

 私たちの暮らしや日本という国の将来への計り知れない不安、すべてのものがその前と後で変わってしまったように思います。いまだに被災地は困難な中にあり、私たちの無力さを知るとともに私たちにできることは…と問い続ける毎日です。

 福島第1原発事故、国際原子力事故評価尺度(INES)の評価で最悪、チェルノブイリ事故と同じレベル7と発表されました。

 1986年に起こったチェルノブイル事故発生後、2000年に亡くなった原子力資料情報室の高木仁三郎さんや山本コウタロウさんが中心となって日比谷公園で開かれた集会に、「原発NO!」の思いでいてもたってもいられずに参加したことを思い出します。
私のこの思いの原点は長崎にあります。父のルーツは長崎、小学生のころ訪れた原爆資料館の衝撃は今でも思い出します。

 福島第1原発は「東京電力」の原子力発電所。
広瀬隆さんの「東京に原発を」という衝撃的な言葉を思い出します。みなさんは私たちのまち江東区に原発を受け入れることができますか?
 チェルノブイル事故当時、34基だった原子力発電所は現在54基。原発はいったん暴走したら制御できないものであり、将来にわたり環境に多大な影響を与え続けるものです。さらに地震列島に原発を建設し続けることは無謀なことではなかったのでしょうか。

 私たちの暮らしや街を節電が当たり前に変えること。脱原発、自然エネルギーの開発・普及。国のエネルギー政策の転換が必要です。
 

〜手を結び ゆっくりと 立ち上がる うつむいた顔あげて ふみ出すよ 一歩ずつ 一歩ずつ すすむために。明けない夜はないから…〜
*「明けない夜はないから」(作詞作曲たかはしあきら/新田新一郎/渡辺リカ)。子どもの笑顔元気プロジェクトの震災復興のためのメッセージソング。

2011年、第1回定例会…会期を31日まで延長しました

江東区議会第1回定例会が開かれています。
予算審査はいまだに非公開ですが、常任・特別委員会はだれでも傍聴できます。区議会を傍聴してみませんか…

2月23日(水)本会議
2月24日(木)平成22年度予算審査特別委員会(最終補正)
2月25日(金)〜3月3日(水)平成23年度予算審査特別委員会

薗部所属委員会
3月 8日 (火)区民環境委員会
3月15日(火)医療・介護保険制度特別委員会
3月31日(木)医療・介護保険制度特別委員会

3月17日(木)本会議
3月31日(木)最終本会議

予算以外の議案は…
1、公益的法人等への江東区職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例
2、外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
3、江東区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
4、江東区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
5、江東区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
6、江東区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
7、江東区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
8、江東区立都市公園条例の一部を改正する条例
9、江東区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
10、江東区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
11、江東区立幼稚園教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例

社会の変化に追いつけるのか?20年間横ばいの江東区男女共同参画事業

2009年度決算審査特別委員会

男女共同参画推進センター。たくさんの三人乗り自転車が並んでいます。交通の便が悪い立地ですが、直営化の中で生まれ変わろうとしています。注目したいものです。
男女共同参画推進センター。たくさんの三人乗り自転車が並んでいます。交通の便が悪い立地ですが、直営化の中で生まれ変わろうとしています。注目したいものです。
 女性差別をなくし共同参画社会をつくる動きは1975年国際婦人年に始まったといえます。このような国際的動きの中で、日本は1985年に国籍法改正など国内法の整備を進め、同時に男女雇用機会均等法が公布され女子差別撤廃条約を批准ました。たった30年前のことです。
 
 江東区では1991年、待ち望んだパルシティー江東(女性センター、現男女共同参画推進センター)を扇橋に開設。この年度の男女共同参画関連事業は1億6841万円。一般会計はこの20年で約1.5倍になり、大幅に人口が増えたにもかかわらず、関連事業の2009年度決算は1億6647万円と、若干減っているのは問題です。
 
 設置20年を迎える男女共同参画推進センターは保育室が利用者に喜ばれその役割を果たしていますが、男女共同参画条例を持つ江東区の拠点施設としての専門性・先見性・企画力、エンパワーメント機能など、はなはだ不十分で地域文化センターとの違いを明確にできていません。
  
 来年度からのセンター直営化に向け区民参加の議論の場を設けるよう質問しましたが、12月のパブリックコメントの実施と11月9日開催のシンポジウムを共通認識を持ち区民とともに考える場とするとの答弁でした。
 私薗部はシンポジウムに参加しましたが、単なる話を聞く場であり、啓発の場にはなっても区民参加の議論の場とは言えないものでした。問題です。
 センター運営への区民参加には、協議会を設けるとの答弁でしたが、実施を見守りたいとおもいます。
 
 「育メン」がもてはやされ、父親の育児参加を後押しする雇用機会均等法の改正、ワークライフバランスが企業戦略として語られ、貧困と生きにくい社会を反映しDV(ドメスティックバイオレンス)が社会問題化。女も男も多様な価値観を認め合い平等に自分らしく生きられる男女共同参画社会の実現が求められています。
 センター設置20年、条例制定5周年の節目の年に、拠点センターとして、男女平等・共同参画の専門性を持った人材の登用と育成に充分に予算を投入するとともに、区民協働による新たな江東区の男女共同参画事業の展開が必要です。

清掃工場で水を燃やしているといわれる生ごみ、自家処理のモデル事業を

2009年度決算審査特別委員会報告

ゼロ・ウエイスト宣言をした葉山市でみた「ベランダでキエ〜ロ」消滅型生ごみ処理機。中は市販の黒土。
ゼロ・ウエイスト宣言をした葉山市でみた「ベランダでキエ〜ロ」消滅型生ごみ処理機。中は市販の黒土。
 昨年10月のごみ組成調査で、江東区の燃やすごみ中の生ごみは46.2%、およそ半分を占めています。ごみ削減を掲げる江東区の次の課題となるごみといえます。

 生ごみは唯一自家処理ができるごみですが、46万都市の江東区が生ごみを集団回収し大規模な施設整備を行って堆肥化などの処理を行っても、その活用先の問題など多くの課題があります。
 
 そこで、「エコ・リサイクル基金」や「みどり・温暖化対策基金」*を活用して、コンポストや消滅型処理機などさまざまな方法による生ごみの自家処理への助成事業と、自治会や町会などによるモデル事業を進めることを提案したところ、検討するとの前向きな答弁を得ました。ごみで迷惑を被ってきた江東区だからこそ、先進的なごみ削減策を望みたいものです。

*23区における清掃事業での負担の公平をはかるための拠出金から、過度の負担を負う江東区に支払われる約2億3千万円(2010年度)が基金の原資

認知症高齢者や判断能力の不足している障がい者などの権利を守る「成年後見制度」の周知・拡充を

2009年度決算審査特別委員会報告

 最近、判断能力が低下した認知症高齢者に次々と必要のない住宅リフォーム契約を結ばせる悪質な事件が多発し、また親亡き後の障がい者などの権利を守るために、成年後見制度の活用と普及が急務となっています。
 現在の認知症高齢者数約200万人に知的や精神障がい者、高次脳機能障がいを合わせると、潜在的に制度を必要とする人は500万人を超えると言われています。今後、高齢化の急速な進行で、認知症高齢者は15年後には350万人を超えると予測され、成年後見制度を必要とする人は大幅に増加する見込みです。

 成年後見制度のセーフティーネットと言われる区長申立は、親族などに代わって区長が申し立てを行う制度ですが、2009年度は13件、2001年度事業開始以降の累計が111件という実績をみると、必要とする人に制度が行き届いていないのは明らかです。
 行政職員や権利擁護を役割とする地域包括支援センターなど社会福祉関係者・従事者が研修等で、制度への理解を深め、区民へわかりやすく伝える努力が必要です。
 
 制度実施に際して対象者や申立ての要請を行える者など必要な規定を明文化し自治体責任を明らかし、迅速な申立に不可欠な法令整備(要綱や条例の制定)を提案しました。これに対し、課題として考えるとの答弁は不十分です。

 また、圧倒的に不足している後見人のすそ野を広げるため、親族や弁護士など専門家以外に、制度の趣旨と内容を理解し社会貢献的な精神で後見業務を担う人を、都では「社会貢献型後見人」と称して養成しています。区は社会貢献型後見人=市民後見人の養成を急ぐべきです。

葉山町の“ゼロ・ウエイスト”への挑戦

ごみを減らすには3Rと4L=「Local(地域主導)」「Low Cost(低コスト)」「Low Impact(環境負荷が低い)」「Low Tech(最新技術に頼らない)」が基本

6月、葉山町に行ってきました。
ゼロ・ウエイストとは何でしょうか?
人口3万人の葉山町だから、2千人の上勝町*だからできることなのでしょうか?
46万人都市の江東区でどう活かせるのかを考えます。

*写真はお話を伺った雨宮係長と元上勝町職員松岡夏子さん。「ごみの分別は“生きていく作法”」「行政はやれない住民のフォローやお手伝いを丁寧にしていきます」という言葉に、住民意識を変えていく行政哲学を感じました。
 
 どの自治体でも生ごみは可燃ごみの4〜6割を占め、生ごみ処理は自治体のごみ減量の大きな課題となっています。たい肥化やバイオガス化など、さまざまな取り組み行われていますが、葉山町がたどり着いたのは自治体が収集しない「自家処理の推進」。発生源の家庭で「できる方法でごみを減らす」という、ごみ削減の基本といえる取り組みです。

 具体的には、EMバケツ・コンポスター・バクテリアでキエーロ(写真参照)・手動式生ごみ処理機などを、一律千円で販売、緊急雇用対策で職員を雇用し、徹底したフォローを行って、意識を変え定着を図っていこうというものです。他に、公募の5町会が取り組んでいる「ゼロ・ウエイストモデル地区」事業。一色台モデル地区では、地域のアイデアと行政の協働で「資源小屋」(写真)の社会実験を行い、75%のごみ削減という結果を残しています。また、ごみ削減の取り組みを通して、若者や新しい住民とのコミュニケーションが始まり、地域コミュニティーの再生にもつながっています。

 葉山町がゼロ・ウエイスト宣言をした2006年当時、可燃ごみ中の資源の割合は約8割、1人1日当たりごみ排出量(可燃+不燃ごみ)は約720g、一方前出の上勝町は徹底した資源化を行った結果、同ごみ量は葉山町の約5分の1強の約160gとなっています。人口2千人の上勝町だからできることと言いがちですが、葉山町は違います。「他でもできるのなら葉山町でもできる」、この発想が葉山町の「ゼロ・ウエイストへの挑戦」の始まりです。29年までに85%削減し約2億円のごみ処理経費を削減する計画ですが、すでに約1億5千万円の削減を実現しているとのこと、ごみ削減が財政削減につながることを示しています。

 江東区は現在46万人の人口を抱えていまが、町会・自治会・管理組合などの地域コミュニティーの単位で考えれば、上勝町や葉山町の取り組みは可能ではないでしょうか。

 現在も廃棄物関連施設を多く抱え、ごみ処理に伴う大きなリスクを抱えている江東区。人口800万人を超える世界有数の都市=東京23区が、先端技術や施設ありきのお金をかけたごみ処理を見直す時です。

 3Rをもとにした「Local(地域主導)」「Low Cost(低コスト)」「Low Impact(環境負荷が低い)」「Low Tech(最新技術に頼らない)」=4Lを指針とする「ゼロ・ウエイスト」へと舵を切る水先案内を務めるのは、江東区しかないという思いを抱いて視察を終えました。

脚注…徳島県上勝町は2003年、日本で最初のゼロ・ウエイスト宣言を行いました。34分別を実施、今や世界トップレベルのリサイクル率80%(生ごみリサイクル率90%)を記録。2020年のゼロ・ウエイスト(ごみゼロ)を目指しています。

発泡トレイの資源化施設 “エコミラ江東” に行ってきました

江東区と区民、企業・NPOによる協働事業、障がいを持った人の働く場に

「東京とことん討論会in江東」実行委員会の事前見学会として、4月1日に事業を開始した“エコミラ江東”に行ってきました。

写真の左の方に積んであるの青いネットは集合住宅用の回収ネット…区民の皆さんは良くご存じと思います。感心したのは汚れや異物が少ないこと、いわゆる食べ物が腐った臭いは全くしませんでした。私たち江東区民のちょっとした努力のたまもの…。

おそろいのシャツを着て分別作業をしている職員の方たち、コンベアではなくてテーブルを使っていたのには少々びっくり、手作業で異物(缶やシールのついたものや汚れのあるトレイなど)を取り除きます。

この施設の特徴は…
①江東区と区民、企業・NPOによる協働の事業であること。江東区は土地の提供と、区民が分別したトレイの回収・運搬を担い、総額2億2千万かかった施設やオーストリア製だという機械は企業6社の協賛によるもの。運営はNPO法人地球船クラブが行っています。

②障がいを持った方の働く場に。正規職員6名とともに10名が働いていますが、週30時間勤務ですからもちろん社会保険もついています。

③社会的事業としての可能性を持っています。トレイからつくるペレットは食品トレイ等プラスチック製品製造メーカーに販売、現在、販路は確実に確保できているそうです。区が集めた発泡トレイの1日あたりの処理量は700〜800㎏、“エコミラ江東“の処理能力は4.9㌧=4900㎏/日ですから、まだまだ余力があります。

今後、事業者・スーパーなどから出る魚箱、食品トレーなども受け入れていきたいとのこと。処理量が増えれば雇用を増やすことができ、循環型社会とともに、ともに生きる共生型社会の実践・発信基地としての可能性が広がります。

見学をしていて気になったこと、それは化学物質の臭い。ペレットにするためにプラスチックを溶かす加熱工程があるからか…。薗部でも気になるのですから、化学物質過敏症の人はおそらく居られないだろうと思います。空気環境は測定していると言っていましたが、ここで5時間働く人たちの健康が気になります。

駆け足の見学でしたが、参加者の矢継ぎ早の質問にも丁寧に答えてくださり、今後に期待し可能性を実感できる見学でした。

江東区の海を泳げる海にしたい…と思いませんか

“東京湾を泳げる海に” 干潟を再生し里海を育てる…東京湾の生物多様性を取り戻す取り組み

 江東区は“海”を持っています。しかし、なだらかに海と接し、水遊びや海水浴ができる“海”にはなっていません。
生活者ネットワークは“東京湾を泳げる海に”という政策を掲げていますが、江東区の海で泳げるようになるのは遠い夢…当分無理という思いを持っていました。

 4月28日、「NPO法人ふるさと東京を考える実行委員会」の案内で葛西臨海公園の先にある人工なぎさをみてきました。

 人工なぎさを臨むとその先には、荒川(海)を隔てて若洲が広がっています。海が再生しつつある現場が江東区のすぐそばにあることを実感しました。

 写真のカキは案内をしてくださった「NPO法人ふるさと東京実行委員会」事務局長の田中さんがその場で採ってきてくれたもの、もちろん食べられます(加熱)。実は東京湾はカキの宝庫だったことを聞き、人工なぎさを造ったことで、カキが山になって(カキ礁)自然に育つまでになったとのこと…。 
 
 カキや二枚貝は生きるために食べて糞をして…海をきれいにしていく、生き物の生態系の中に自然を浄化していく力があるのを目のあたりにして感激…。「マリンガーデニング」というそうです。アサリの放流も行い、海苔の養殖などの実験場でもあります(とても美味しいとのこと)。

 子どもたちは「マリンガーデニング」を通してカキなどが水を浄化する事実を学び、潮干狩りや海苔すきの体験など、たくさんの体験実感をこの干潟は提供してくれます。
 海はいのちを育み、そのいのちを実感し食べる…、遊ぶ場となり感性を育てる場にもなっていく…。 
 
 西なぎさでこのNPO法人が取り組んでいる「里海」再生は、人が汚してしまった海を、里山と同様、人がかかわることで生態系を取り戻し、人(次の世代を担う子供たち)が育つ環境として再生していく取り組みです。

 江東区の海を泳げる海に…、砂町の水辺では干潟の再生の取り組みも行われています。江東区の“里海”を創りだす…遠い夢に終わらせたくないと思いながら見学を終えました。
 

〜検証!プラスチック焼却〜ぜん息調査シンポジウム報告

高い江東区の小学生のぜん息被患率

青木さんの講演を熱心に聞く参加者。埼玉からの参加も。
青木さんの講演を熱心に聞く参加者。埼玉からの参加も。
 1997 年、子どもの環境保健に関する先進8カ国環境大臣宣言書(マイアミ宣言)では、子どもは化学物質など環境汚染に傷つきやすく、基準値以下で健康問題を生じる可能性があることから、予防原則で子どもの健康を守ると宣言しています。この宣言に則れば、プラスチックを清掃工場で燃やす実証確認試験の結果がこれまでの操業の範囲内や現在の日本の基準値内であっても、子どもにとって安全と言えるのかどうかの、検証が必要ではないでしょうか。

 ぜん息調査実行委員会は市民団体の賛同をえながら、プラスチック焼却による子どもの健康リスクを検証するために、区立小学校のぜん息被患率(*1)調査を行い、12月6日、環境ジャーナリストの青木泰さんを迎え「ぜん息調査シンポジウム」を開催。実行委員会は区立小学校の高い被患率の実態を報告しました。

清掃工場の操業停止で、小学校のぜん息患者数が半減(横浜市)

 シンポジウムでは、2001年、横浜市栄工場の稼働停止後、風下にある2つの小学校のぜん息患者数が、1校は半減、1校は3分の1に激減。鎌倉市と隣接する栄区は汚染物質発生源は清掃工場しかない田園地帯であることから、ぜん息の主原因が焼却施設であるという調査(*2) 事例を紹介しました。

 また、江東区にはダイオキシン措置法による特定施設が10施設と、23区で最も多く、そのうち4施設は東京23区清掃一部事務組合の新江東清掃工場と有明清掃工場、中央防波堤にある粗大・不燃ごみ粉砕処理施設・焼却炉と灰溶融炉です。このことから、今後、プラスチック焼却を原因とする、ぜん息など子どもの健康リスクが高まることを、青木さんは指摘しています。

 2001年当時、横浜市はプラスチックなど混合焼却していましたが、調査結果(*2)をみると、燃やしていなかった東京都と比べ、ぜん息被患率は高い値を示しています。その後、横浜市は栄工場と港南工場の2つの焼却施設を閉鎖し、G30(*3)へとごみ政策を転換しています。

 実行委員会は、東京都の学校保健統計調査による2001年度からの学年ごとのデータをもとに、23区のぜん息被患率の比較と推移を追う調査も行っています。今後、5年10年と推移を検証し、プラスチック焼却が子どものぜん息など健康にどのような影響を及ぼすのか、地道な調査を続けていきます。

(*1)受診者数に対する罹患者の割合。
(*2)栄工場のゴミを考える会の西岡政子さんは、子どものぜん息とごみ焼却施設との因果関係を8年かけて調査、06年度には高木仁三郎市民科学基金の助成を受け、神奈川県全域を調査し報告している。
(*3)横浜市全市のごみ排出量を10年度に01年度比で30%減らす取り組み。

江東区民が資源物として分別した容器包装プラスチックの行方

有明興業㈱、分別・圧縮・梱包する中間処理施設を見学した

11月2日、若洲にある有明興業㈱を見学に行った。ごみを最終的に埋め立てる中央防波堤外側最終処分場が航路を隔てて見える場所だ。
11月2日、若洲にある有明興業㈱を見学に行った。ごみを最終的に埋め立てる中央防波堤外側最終処分場が航路を隔てて見える場所だ。
 江東区は今年の3月30日から、容器包装リサイクル法に従って容器包装プラスチック(以下容リプラ)を資源ごみとして分別回収。当初は習志野市にある市川エンジニアリングで中間処理(分別・圧縮・梱包)をしていた。
 これに対し、資源化の具体的な議論する08年度環境審議会委員でもあった薗部は、輸送経費や温暖化防止の点から区内での処理を提案していたが、10月1日からやっと区内処理が始まった。
 江東区の容リプラの中間処理を行うのは有明興業㈱。1958年操業の産業廃棄物処理事業者だが、昨年5月、江東区の容リプラの中間処理を想定して、一般廃棄物(家庭ごみ)処理の許可を得ている。若洲のはずれにある港を持つ施設だ。

江東区の容リプラ、処理している量は?
 現在受け入れている一般家庭ごみの容リプラは江東区のみ、1日に約10〜12㌧、収集のパッカー車にして30台ぐらい。日曜を除く6日間受け入れ、年間にすると概算で3,000㌧。有明興業㈱若洲工場の年間処理量は約65万㌧からすると、容リプラは0.5%にも満たない量だ。
⇒江東区では家庭ごみのなかの容リプラの半分=4700㌧/年を資源回収する計画だったが、このままでは計画の6〜7割程度しか資源化できないことになる。残りは可燃ごみとして清掃工場へ、プラを燃やすことによる環境汚染や温暖化のリスクが、計画より大きくなってしまうのは問題だ。

中間処理にいくらかかるのか?
 江東区との契約は、委託処理単価36円/㎏。
昨年薗部が見学した江戸川区の江環保エコセンターが50円台/㎏、中野区と新宿区の処理を行っている荒川区のトベ商事は約50円/㎏、9月まで江東区の処理を行っていた市川エンジニアリングは37円/㎏、情報によると80円台/㎏のところもある。施設の場所や契約内容にもよるので一概に比較できないとしても例外的に低い市川エンジニアリングの30円台を除くと50〜80円台だ。
⇒見学時は2つのラインで3人(説明だと4人)が手選別作業をしていたが、江戸川区の「江環保エコセンター」は20人(1ライン10人で2ライン)だった。有明興業㈱は正社員というのは良いと思ったが、ほぼ同じ処理量で4分の1以下の人手…。手選別の前に粗選別(傾斜のあるベルトコンベアーによる重さの差による分別)ラインがあるにしても、処理単価の低さの理由はこの辺りにもあるのか…?

残差率、分別して出した容リプラの中で資源にならない量は?
 10月の残差率実績は23%。有価物(缶とペットボトル)は自由契約(つまり有明興業が売却)、それ以外は江東区に戻している。可燃残差には生ゴミや汚れた容リプラ、プラマークのないプラなど(おむつも多い)、1日にパッカー者2台分(約1〜1.5㌧)を清掃工場で焼却。不燃残差はビンや缶、たまには家電製品も入ってくるとのこと。有価物以外は週1回400〜500㎏を中防の不燃処理センターに持って行き、粉砕して最終処分場へ。
 一方、江東区の燃やすごみ(可燃ごみ)中のプラスチック混入率は13.7%(墨田清掃工場で焼却している容リプラ資源化後の江東区のプラ混入可燃ごみの性情調査による)
⇒そもそも一組のサーマルリサイクル計画(廃プラスチックの可燃への分別変更)を了承した区長会合意は、リサイクル先進自治体の「横浜市や名古屋市並の資源回収」を前提としていることを思い出してほしい。横浜市が公表している20年度の混入率は10.1%、さらに現在横浜市は可燃ごみに混入しているプラのうち半分(4.8%)は資源化可能物であり、混入率5.3%を目指すとしている。
 廃プラ焼却で1㌧あたり2.69㌧のCO2を排出する。23区(もちろんまずは江東区だが)は「資源化なき焼却」によるCO2排出を回避し、可燃ごみ中のプラ混入率10%、さらに横浜市並の5%を目指すべきだ。

⇒行政は区民が出したごみをただ処理するのが仕事ではないはずだ。この機会に区民の循環型社会への意識を醸成していくのも行政の役割ではないだろうか。思いを持って手をあげている80人のリサイクル推進委員の方たちの力を十分に生かして、区民一人ひとりの「分別徹底」の啓発を提案したい。

燃料としての廃プラスチック?…課題は大きい!
 今回見学したのは、容リプラの処理を行っているリサイクルポートだけだったが、有明興業㈱は産廃処理といしてRDFやフラフの製造事業も行っている。RDFは廃プラスチック70%+紙ごみ30%を固めたものでカロリーは石炭と同等、価格は石炭の3分の1というごみ燃料。フラフは写真にあるプラごみを圧縮し梱包したものを指しているが、RDFより安価にできることから、注目されている新しいスタイルのごみ燃料だ。
 廃プラを安い燃料に…、これでは拡大生産者責任どころか、生産し放題ということになってしまう。循環型社会の基本、製造の段階からごみになるものを減らす=3Rのリデュースはどこへ行ってしまうのだろうか?! 産業としての「ごみ」、課題は多い。