八ッ場ダム審議に対する生活者ネット討論 その1

都市・環境委員会(12月11日)での新井美沙子の討論

今回の議案は建設に要する費用が2110億円から4600億円に変更というものですが、この費用には水源地域対策特別措置法や基金にかかる費用と利子が含まれておらず、それらを含めると推計総額8500億円にも上る事業です。東京都の負担もすべてを含めると1325億になり、財政難のこの時期に都民の理解を得られるものではありません。
そもそも東京都にとって八ッ場ダムが必要なのか、という点にも疑義があります。
利水について、都の一日最大給水量も平均給水量も1990年以来漸減傾向にあり、それぞれ昨年実績で519万t、458万tです。東京の人口は2015年をピークに減少すると推測されており、水洗トイレや洗濯機、食器洗浄器なども次々と節水型が開発され、今後の普及によって水利用量は当然、減少していきます。また、工業用水も非用水型部門へと移行していくので、水需要がさらに減少することは明らかです。第5次フルプランでの推計で出された日量600万tという都の見込みは大きすぎるといわざるを得ません。
一方、現在の東京都の水道水源は都の試算では日量623万tで、多摩地域の地下水40万tを算入すると663万tになっています。浄水場の漏水率を2%で計算した私たちの試算によると水道水源の推量は699万tにもなり、都のフルプランの600万tさえ満たしており、新たなる水源は必要ありません。