どうする?! 築地市場移転問題

豊洲新市場予定地で環境基準の4万3千倍のベンゼンを検出

 築地市場移転問題は、 市場での取扱量と車両増加などに伴い、 1962年に周辺の用地買収や移転の検討が始まったことに端を発し、 すでに46年が経過しました。 86年に一旦、 現在地・築地での再整備を決定。 工事に着手したものの、 営業を行いながらの改善は困難を極め、 結局390億円を投入した再整備は断念されました。 99年には、 築地市場再整備推進協議会が移転へと方向転換を打ち出し、 その2年後、 豊洲新市場予定地への移転が決定したのです。

 これまで生活者ネットは、 市場の衛生管理や環境改善を求める上でも、 老朽化・狭隘化した築地では限界があり移転はやむなしという立場でした。 しかし、 豊洲の予想以上に深刻な汚染状況が判明した今、 再考せざるを得ず、 第3の道として 「晴海」 を予定地として再検討するよう都議会第2回定例会の場で提案しました。

 こうした中、 7月29日 「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策等に関する専門家会議」 が最終提言をまとめました。 土壌汚染対策の対象となる面積や処理しなければならない土壌の量は国内最大規模であること、 環境基準の4万3000倍のベンゼンなど汚染のレベルは桁違いの数字であることを示した一方、 ベンゼンやシアンは生物分解が可能であるなど、 今後の対策や安全管理のあり方にも言及。 豊洲移転を示唆するものとなっています。

 移転の是非、 合意形成はこれからであるといえますが、 そもそも豊洲を移転先に決定した理由に、 40haという敷地面積の広さがあげられてきました。 確かに、 23haの築地市場と比べれば魅力的ですが、 市場の取扱量は最盛期に比べ今や約6割。 またインターネットの普及で市場外流通が増えるなど、 市場を取り巻く状況も急激に変化しています。 今後、 人口が減少していく時代に40haの広さが必要なのか、 さらに、 1000億円を超えるともいわれる土壌改良工事などの対策も、 費用対効果の面から多くの疑問が残ります。

 築地も晴海もオリンピック関連施設の予定地とされており、 豊洲への移転を強行する場合でも、 徹底的な土壌対策を行うには膨大な時間がかかることから、 オリンピック招致計画は見直しが求められることは必至で、 行き当たりばったりの都政のつけは小さくありません。 生活者ネットは、 食品を扱う市場の安定的、 かつ安全な維持管理が最も優先されるべきで、 まず、 築地市場の将来を定め、 その上で他の問題を解決する立場に都政が立つよう強く求めています。