放射能をまきちらした当の日本が、それでも原子力発電を続けるということに世界はどう感じたのだろうか

野田首相 国連での原子力安全首脳会合の演説

 野田首相の国連での演説は、フクシマ原発事故後の日本のエネルギー政策をどう変えていくと宣言するか注目していたが、なんと原発との共存であった。事故を教訓に原子力発電の安全性を高め、再稼働し、原発輸出までも視野にいれている。日本国内では、脱原発依存と言いながら海外へは原子力ビジネスを展開していくという。
 3.11以降、ドイツ、イタリアは原発からの転換を決め、原発への批判は世界的な動きになっている。放射能をまきちらした当の日本が、それでも原子力発電を続けるということに世界はどう感じたのだろうか。

 ひとりひとりは、原発は危険だと思い、あるいは感じている。だが、政治=経済になっていくと違う方向に進む。国の政治は国民を守るためのものであるはずだが。
 原発のことは、ひとりひとりの国民が深く考えなくてはならないことだ。「原発をどうするか」ひとりひとりが選択すべきことだと思う。

 原発の問題の究極は、発電した後の放射性廃棄物を処理できないことだ。世界のどの国でも、放射能を出し続ける発電後のゴミ[死の灰]は、埋めるしかないのが現状だ。福島原発事故による瓦礫でさえ行き場がない。
 原発を動かすことは、高濃度の放射性廃棄物を毎日出し続けるということ、だれも責任を負えない数万年先まで強い放射能をだし続けるということをもっともっと多くの人に知ってほしい。
 
東京・生活者ネットワーク
事務局長 中村映子

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