第46回衆議院議員選挙を終えて

東京・生活者ネットワークは、市民とともにローカルから国政を変えるために、『脱原発』の実現と『市民自治』の推進を掲げ、解決すべき国政課題を下記18項とし、第46回衆議院議員選挙に臨みました。

「政権交代」後初の総選挙となった今回の衆議院選挙は、国民が政権与党に「NO!」を突き付ける結果に終わり、2009年「政権交代」を訴えて300超の議席を確保した民主党は、大幅に議席を減らし、厳しい審判が下されることとなりました。戦後最低の59.32%という投票率は、政治への信頼を取り戻せなかったばかりか、民主党がマニフェストを軽視し、迷走し、自ら瓦解していったことに対する有権者の失望と苛立ちのあらわれでもありました。

12もの政党の乱立は、国民の選択を困難にし、結果、自民党が受け皿となり単独過半数を獲得。しかし、今回の自民圧勝は、生活者ネットワークが予てから問題提起してきた、「政党の得票率と議席率の乖離が生ずる」「既成の大政党に有利に働く」小選挙区制(1996年~)がもたらした結果であり、言わば、民主党政権への反動票が反映された結果でしかありません。そもそも自民党こそが、日本に原発を導入・推進してきた当事者政党であり、3.11福島原発事故を経てなお、利権の温床である原発政策を推進しようとしていることは自明です。自民党の圧勝と維新の会の台頭は、自民党が発する「国防軍」構想や「国土強靭化基本法」構想などと相まって、右傾化に拍車をかけるだけでなく、社会保障政策の後退や脱原発政策からの撤収をも意味し、決して許容できるものではありません。

しかし、今回の結果を目の当たりにしてなお、国民・市民の脱原発への世論=平和・共生社会を求める世論は圧倒的であり、あらゆる場、あらゆる機会をとらえて継続されている反原発・脱原発・平和運動が、それを示しています。それは、脱原発を求める金曜官邸前アクションであり、「原発」都民投票直接請求運動であり、一人一人の生活者が参加し勝手連を形成し、選挙活動を支えた宇都宮健児さんの東京都知事選挙です。悲惨を極める3.11福島原発事故を契機に、「生活者一人一人が声をあげなければ社会は変わらない」と、各々が時間を捻出し、政治に関わりを持ち始めているのです。

次世代へ、私たちはどのような社会を手渡すのか、そのためにどのような選択をするのか、私たち有権者一人一人が問われる大事な選挙でした。世界がこれまで経験したことのない「超少子高齢社会」に早晩、日本が突入することは明らかであり、これまでのような経済成長が望めない現実をこそ直視しなければなりません。あらゆる危険や負担を将来世代に先送りする政治から脱却し、「生活者が主体の政治」に変革していくためには、政治を政党や議員に任せておくのではなく、市民が参画し、熟議し、解決策を導き出す新たな「参加型政治」を実体化、制度化していかなければならないと、東京・生活者ネットワークは考えます。

東京・生活者ネットワークは、『原発0(ゼロ)を実現する』ために、大事なことは市民が決める『市民自治』の実現を求めて、第46回衆議院議員選挙、東京都知事選挙に取り組まれたおおぜいの皆さんとともに、ローカルから国政を変える挑戦を継続します。

◆脱原発、省エネ・再生可能エネルギー政策を推進する◆原発0(ゼロ)を実現するために、「脱原発基本法」を制定する◆「水循環基本法」を制定する◆税制における配偶者控除、配偶者特別控除を段階的に廃止する◆年金における第3号被保険者制度の廃止や遺族年金の段階的廃止など、ライフスタイルに中立な社会保障制度にする◆女性の政治参画をすすめるため、クオータ制などのポジティブアクションを実施する◆子どもの権利条約に基づいた「子どもの権利基本法」をつくる◆一人ひとりの子どもの学びを保障し、誰もが学び直しのできる社会をつくる◆食の安全、地域主権の観点からTPP参加に反対する◆消費者の権利にもとづいた食の安全を確保する◆食料の国内自給力を高め、農業政策に都市農業を位置づける◆「障がい者権利基本法」を制定する◆新しい公共の担い手として市民事業やNPOを支援する◆同一価値労働同一賃金を実現する◆「社会的事業所促進法」を制定する◆「協同労働の協同組合法」を制定する◆規制の多い公職選挙法を改正し、市民が選挙、政治活動に自由に参加できるようにする◆憲法9条を活かした「平和基本法」を制定し、非暴力・非核社会を実現する

 2012年12月17日                   東京・生活者ネットワーク