市民の参加で 都政を変える! 生活者目線の議会改革を!

市民の参加で 都政を変える! 生活者目線の議会改革を!

 

東京・生活者ネットワーク

昨今、「第2の報酬」とも言われる、議員の「政務活動費」に注目が集まっている。近年では、年に195回も出張していたことにして報告した兵庫県議や、政務活動費を不適正に使ったことで次々に12人もの議員が辞職した富山市議会など、不祥事では到底済まされない犯罪まがいの事件に発展している。

かつては、その使途が政策立案に係る調査や研究に限定されていた「政務調査費」は、2012年の地方自治法改正に伴い、「政務活動費」に改称、その使途が一部拡大した。しかし、政党活動、事務所活動、後援会活動、私的活動などとの線引きがあいまい、かつ情報公開が徹底していないため、不正な使用を虚偽の報告でごまかす例が後を絶たない…というわけだ。

都内の自治体で、政務活動費の報告をHPで全く公開していないのは6区8市、収支報告書のみ公開は16区11市、収支報告書+使用明細が6市、領収書まで公開しているのは世田谷区と三鷹市だけ。それでも東京新聞が昨年4月に23区を対象に行った調査結果と引き比べると、公開している自治体が倍増していることは評価できる。HPで公開していなくても、住民監査請求をすれば公開される部分もあるが、肝心の公開資料のあちこちが黒塗りの「のり弁」状態では意味がない。

 

東京都議会第3回定例会の本会議で、一般質問に立つ、東京・生活者ネットワーク都議[杉並区]の小松久子。2016年10月5日

東京都議会第3回定例会の本会議で、一般質問に立つ、東京・生活者ネットワーク都議[杉並区]の小松久子。2016年10月5日

「政治は生活の道具」を基本理念に活動する生活者ネットワークは、一貫して「議会改革」「議員特権の廃止」を訴えてきた。問題となっている「政務活動費」においても、市民生活の向上に資するための、政策立案・条例等制度提案に必要不可欠となる調査・研究、さらには自治体情報の公開に限って使途とし、そこには、昨今問題となっている飲食に係る費用は一切ふくまないことは当然である。また、都議会でネット議員が6人で活動していた際も、交渉会派に配置される受付職員や幹事長公用車を返上したことは言うまでもない。

その都議会では、都議会生活者ネットワークの働きかけで、2007年末に、ようやく「都議会のあり方検討委員会」が設置され、2009年4月から「1円からの領収書添付」が義務付けとなった。しかし、それから7年が経過する現在も、都議会のHPは収支報告書すら閲覧できないままでいる。都議会が自ら公開に踏み出すときである。

 

東京都議会第3回定例会の本会議。2016年10月5日

東京都議会第3回定例会の本会議。2016年10月5日

政務活動費や費用弁償などについての議論は無論必要だが、議会改革をそれだけにとどめておくのでは片落ちだ。真の議会改革は、首長側から提出される大量の議案にただ賛成、反対したり、委員会質疑においてもただ理事者側に質問をするだけで議員同士の議論が全くない旧態依然とした議会から脱し、議員同士がしっかり意見を闘わせ合い、条例の議員提案を行う討議型議会へと変えていくことだ。

議会基本条例をつくる動きが各地で進んでいるが、東京ではその動きが極めて遅い。地方議会も「立法機関」としての役割をきちんと果たすために、市民も生活者の視点で議会の動きを常にしっかりとチェックし、声を上げていくことが必要だ。